春秋夏冬

角川書店の「万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典」の最初の方だけを読み始めた。読み始めた理由はもちろん元号が「令和」になるからである。

格好を付けて「万葉集全集」を買い揃えはしなかったw 古文はあまり得意ではないし、解説等が付いた入門者向けの書籍が身の丈に合っていると判断した。

少しだけ読んで、早速面白いことが分かってきた。

「日本には四季があるところが良い」、というのは昔からのこの国の環境であり、そこから文化や慣習が育まれてきた。

ところが、万葉集に収められている歌は「春」と「秋」のものが多いそうだ。春は桜で、秋は紅葉。現代でもSNSで見かけるのが桜と紅葉だ。桜と紅葉の季節になると途端に木のある場所に行く人が増えるw

万葉集の時代からインスピレーションを感じ取る対象は変わっていないことに驚いた。

四季折々と漠然とした表現の仕方をするけれど、実は春と秋に偏っているというのは興味深い。夏は暑くて冬は寒いからねw 昔の人も物思いに耽けたりする妨げになっていた季節なのかもしれない。

春と秋は気候が丁度良い。どこかに出かけるにしても、何かを始めるにしても快適だ。

こういう流れになってきている中で「夏」と「冬」を歌う和歌もそのうち登場するはずなので楽しみだ。考えが浮かびづらかったであろう当時の人がその季節にどんな歌を詠んだのか。

 文藝春秋はあるけど文藝夏冬はないものね。春夏秋冬平等に話題があるのは万葉集的には恐らく本意ではないだろうけど。

乱れるのは季節のせいかしら、何て言っている場合ではない。