不安芸

宮迫とロンブー亮の2人の会見と、吉本興業の岡本社長の会見の両方を見た。2人がAbemaTVで会見したのでここは公平に社長の方もAbemaTVで会見して欲しいと思っていたが、それは実現した。

結局、「生放送で」「質疑応答の時間をできるだけ長く設ける」という2点を満たそうとすると各TV局では対応が難しかったのだろうということだが。

さて、企業側と雇われ側との両方の会見を見たわけだが、「2人の契約解除を撤回して社長を始め何名かの減俸50%」という結論に吉本興業としては至ったようだ。

契約解除が撤回されたということだが、解除まではならなくても当然何らかのペナルティは受けなければいけない立場の2人ではあるように思うのだが。これだと最初から何もなかったことになる。

特殊詐欺の反社のパーティーに参加してお金をもらった。そのお金は詐欺に遭った人たちのお金。そこに対する答えが双方からはついに得られなかった。

他の事務所は来月末まで謹慎処分を下した、というのがあったので吉本興業もこのまま何もお咎め無し、というのはやはりおかしい。

宮迫は金銭感覚がないと自分で言っていたが、どんぶり勘定による金銭の授受を改めないとまた同じことが起こると思う。

「テープ回してないだろうな。全員首にできる力があるんだぞ」等の発言もジョークだと社長自ら認めたが、あの会見の口下手ぶりからするとジョークと受け止めてもらえなかったのは分かる気がした。

「冗談だったんだけど。まさか本気にするとは。」、というのはいじめやハラスメントの構図だ。受け取る側がどう感じるかということ。彼はしゃべりが上手くないのも手伝って怒りを含んだ感情を持ってそう言っているようにしか聞こえなかったのだろう。

吉本興業的にも宮迫&ロンブー亮の2人にとっても丸く収まったような結論だが、こちらは納得できない。流石に2人に何の処分も下されないというのはちょっと。

これからどう反社会的勢力とのつながりを絶ちながら所属タレントのマネジメントや営業をするのかというところのはっきりとしたビジョンもあまり伝わってこなかった。

闇営業をしなくて済むある程度のギャラの保証をするとか。「事務所が7割ぐらい持っていくんですよー」って吉本の芸人がネタにしてるのを見かけるけど、闇営業をしないと食べていけないのだとしたらそこへの直営業がなくなることはないよね。

基本的には「面白かった人が稼げる世界」ではあって欲しいので、どこまでの水準で面倒を見るか、というのは難しいのだけど。

また何か起こってしまいそう。その時にまたバタバタしそう。そんな不安だけが残った。