通っていた高校の校則は「自由」を謳っていた。高校という狭い世界に限って見れば、例えば「制服を着なくて良い」なんていうのは同世代からは羨望の眼差しを向けられたであろう。
しかし、「自由」と言うのは実は1番難しいことでもある。「好きにして良い」けど「好き勝手にして良い」ではないからだ。自分で「どこまで許されるか」を考えなくてはいけない。
その母校は今もこの校則を変えていないようだ。しかし不思議なことに、制服を着ている子が多い。ベージュのあの制服はかなり可愛くて、あれを着ようというのは理解できる。
「制服を着る」のも自分の意思だから。制服を着ないといけない高校に通う高校生は「早くこの制服を脱ぎ捨てて自由になりたい」と考えるのかもしれないが、自ら制服を選ぶ。
私服の子もいる。JKがジーンズ姿で登下校。その友達は制服姿。どちらも、私の高校では許されている。
今でも手元に会報が届く。そういうので「9割の生徒が制服を着ることを選択する」ということも知った。
しかし、髪の色は黒、あるいは暗くしている子がほとんど。髪の色に関しては昔から厳しかった。「好きにして良い」けど「好き勝手にして良い」わけではないというところなのだろう。
風紀だとかある程度の常識的な身だしなみだとかを外から見てどう思われるのか。他の高校生たちに比べるとそういうことを学ぶのが少しだけ早かったのだろうと思う。
制服がない高校の高校生が制服を着ることを選ぶ。愉快、愉快。