貫いた骨

昨晩、カレイの煮物を食べている途中、違和感を覚えた。

箸で身と細かい骨とを分けて、万全を期して口の中に放り込んだはずだったのだが…。

そして、仮に細かい骨が混じっていたまま口に入れたとしても呑み込む前に舌触りや歯に当たる感触からそこで再び骨は外に出される。

ところが、そのいつもの感触はあるのに、外には出ていかない。歯と歯の間に引っ掛かって取れない。

夕食後、歯を磨いている時に引っ掛かっているであろう部分に何かがあるのに気付いた。やはり、魚の骨だ。

何故か、自力で取ってみようかと思い始める。数ミリだが、わずかに動く。その時に出血したのでこれはもうそのままにしておこうとそれ以上は何もやらないことにした。

歯と歯の間にただ挟まっていたのではなく、歯茎を骨が貫通しているらしい、というのをそこで知った。

今日、歯医者へ。数秒で取れた。ホッ。後で見せてもらうと、1cm強の長さの中途半端に主張する魚の骨だった。

間に入り込むには絶好の大きさ。骨の端と端とが少しだけ外に顔を出している(歯の裏側の方は舌でその突起に触れることができる)。

「これは自分で取るのは無理だ」とは歯医者の言葉だ。自分の舌でいじり過ぎてどんどん中に入り込んでしまって、とうとう内視鏡手術に至ってしまった話も聞けた。

魚の骨が歯の間に刺さるというのは案外深刻な状況に至ることもあるようだ。

私からも色々と話したし、先生からも色々と聞けた。奥歯ではなく前歯に物が挟まったら人はちゃんと意見を言えるみたいだw

しばらく赤カレイの煮付けを食べたくなくなったのは言うまでもない。