溺れる者

夢の中で溺れていた。

ある日の昼下がり、眠気が襲った。ここは本能に従って、そのまま寝ることに。但し、寝すぎると夜寝る時に差し支えるので、どこかで聞いた、「シエスタは15分ぐらいが良い」というのを真に受けて、タイマーを15分にセットしてzzz。

 レム睡眠中、筆者はお風呂場の浴槽にいた。お風呂と言うと、1日の疲れを癒やすためのポジティブな場所。ゆっくりと浸かって、時には鼻歌を歌いながら。とてもリラックスできる時間。

夢の中では正反対のことが起きていた。まるで水中にいる時のよう。不思議なもので、「あ、今溺れてる」、という感覚を実際に得ているかのようなのだ。

溺れてて、苦しい。「助けてくれっ!」。

ふと、目が覚めた。暖かいお布団にくるまっていた。タイマーも後5分残っていた。