媚びないあとがき

ハルキ文庫の太宰治走れメロス」を読み終えた。短編集なので1つ1つの話はすぐに読み終わる。

最後にあとがきが載っているのが常だけど、もちろんこの小説にもあとがきが載っている。全面的に褒めてないけどねw

「正直太宰治の作品の全部が好きなわけじゃない」ということを書いているところから分かる通り、率直な感想を述べているあとがきということで、なかなか新鮮だ。

黄金なんちゃらはあとがきにもあったけど確かに筆者も嫌いな小説だw 昔散々当たり強くいじめていたのに年月が経って久しぶりに再会。相手があの時のことをそこまで苦に思ってなかったみたいなことを又聞きして何故かホッとするという。身勝手な主人公。

太宰治自身も「今こういうこと書いてはみたんだけどそこまで興味はないのよね」みたいなスタンスなので可笑しいw 「人間失格」と黄金なんちゃら意外の文体は割と好きなのだけど、斜に構えているw

走れメロス」も今読み返してみると「親友を人質にする」ことをメロス自ら王様に名乗り出ているということを思い出して「そうだったんだ、それは何としても走らないとね」、と心情が変化した。

自分で言いだしたんだから何とかしないとね、とこちらも斜に構えてしまう感じになってしまったw 最後のシーンはとても良いんだけどね。筆者の記憶にあった「ピュアな友情」が描かれていたので。

あとがきもいち読者も率直に語ろう。