バテるから

昔の間違った、根拠のない指導方法として「運動部は水を飲むな」というものがあった。筆者も例外ではなかった。そして、何の疑いも持っていなかった。

夏は今ほど暑くはなかったんだろうと思うけど、それでも夏は夏。水を飲まないで部活をやるなんて能率が悪くなるだけだったはずだ。しかし、水を飲んだらダメ、というトンデモルールにも根拠があった。

「水を飲むとバテるから」…説得力はもちろんない根拠だ。でも、当時は「バテるから水を飲まないでおこう」と心に決めていた。実際は、さっき少し書いたけど夏に水を飲まないで運動することの方がパフォーマンスが悪くなって、体に支障をきたす。

顧問の先生の目を盗んでマネージャーの作るスポーツドリンクや水を飲みに行ったこともあったな。陸上部だったのでこういう時に足の速さが生きる…w 結局その当時だって体は確実に水分を欲していたのだ。

根拠のないルールには根拠のない理屈があった。しかし誰も異を唱える者もいなかった。学校レベルの狭い情報網しかなかったので熱中症で倒れたという話も入ってこなかった。今になって振り返ると相当に怖い世界だ。自分とその周りのちっぽけな世界が全てだというのだから。

水を飲まなかった俺たちは無敵だった、でもそれはただの無知だったということで今運動をやっている人たちは適度に水分を摂って頑張ってください。ただ部活動に勤しむが人たちを応援したい。