二律背反

彼女はごめんなさいと言って自分を責めていた。

欅坂46を卒業した今泉佑唯の最後の更新となるブログ記事を読んで苦しくなった。

何に対してごめんなさいなのかと言うと、「ファンの皆さんの理想のアイドルになれなくてごめんなさい」なのです。

ずーみんは私には理想のアイドルだった。少なくとも私にはそう見えていた。ファンに近いイベントではいつも元気で明るい。ビジュアルは良いし、歌も上手い。体のボリュームもある。女性としても魅力がある。

常にファンの方を向いている印象があった。イベント会場では例えば「長時間お待たせしてごめんなさい」という貼り紙をして気遣っていたり。気遣いすぎて参ってしまうタイプの人なのだと思う。気持ちは痛いほど伝わってくる。

だからアイドルには向いているけど向いていないとも言える。一般社会よりしんどくなりやすい芸能界なのでよりしんどくなりやすい。もっと軽く流せるようになれば楽だろうに、と見ていて感じることはある。

思えば、イベント会場での貼り紙の中でもごめんなさいと言っている。これだけでももうお分かりかと思いますが、彼女が我々にごめんなさいと謝る理由はないんですね。

へりくだり過ぎて、申し訳なくなってしまう。やって来たことに自信を持って堂々としていて欲しい。

ごめんなさいと言う必要がない人が何度もごめんなさいと言い、「一言あっても良いんじゃない?」という人から一言も聞けない。

なかなか上手くピースがはまらないものですね。